クレオパトラも愛した若返りのハーブ「カレンドラ(カレンデュラ)」
◆カレンドラ(カレンデュラ)
学名:Calendula officinalis
科名:キク科 和名:トウキンセンカ(唐金盞花)
カレンドラ(カレンデュラ)は春から夏にかけて、鮮やかなオレンジ色の花を咲かせるキク科のハーブです。ラテン語で「月始めの日」を意味する「calendae」カレンダエに由来すると言われています。これはカレンダーの語源にもなっています。また、和名の「唐金盞花」は一般的には「金盞花(キンセンカ)」と呼ばれ、「花の杯」という意味で、花のかたちに由来します。確かに、カレンドラの花を見ると、「杯」に似ていますよね。
◆カレンドラとマリーゴールドの違いとは?
ところで、このカレンドラは園芸用によく見かけるマリーゴールドと似ているため混同しがちなのですが、同じキク科でも少し違う植物なのです。
比べてみると花のかたちがまったく異なるのがわかります。下の画像のマリーゴールドの花弁はくしゃっとしていて、丸くまとまるかたちです。花の見た目も「杯」のようにはなりません。
カレンドラはハーブとして植物療法で使用されますが、園芸用のマリーゴールドは使用されないという大きな違いがあります。
◆植物療法からみたカレンドラ
では、ハーブとしてのカレンドラは植物療法としてどのような効果があるのでしょうか?
カレンドラの花弁には、カロテノイドやフラボノイドなどが含まれ、古代エジプトのクレオパトラの時代のから皮膚や粘膜の損傷や炎症対策に用いられてきた歴史があります。特に中世ヨーロッパでは、花弁を植物オイルに漬けた浸出油は軟膏として使われており、赤ちゃんのおむつかぶれや湿疹、敏感肌の肌荒れや虫さされ、保湿など家庭の常備薬としてもっとも親しまれました。このようにみても、カレンドラは植物療法の分野でも大活躍のハーブといえるのです。
◆「美容」への期待高まるカレンドラ
コスメの分野では、花から抽出するエキスが注目されており、肌のうるおいを保つはたらきや、「糖化」に関する研究も発表されています。
お肌の「糖化」とは、年齢とともに肌内部のタンパク質と糖質が結びつくことで黄ぐすみとなったり、お肌の弾力が失われてしまうことを言います。美容業界では、お肌の「コゲ」などと表現され、エイジングサインのひとつでもあります。カレンドラの花のエキスは、こうした「美容」への応用に大きな期待が寄せられています。きっと、クレオパトラもこの効果を感じ、カレンドラを愛用していたのかもしれませんね。
◆カレンドラのアロマテラピーとしてのはたらき
カレンドラの精油は緑がかった濃い茶色をしたオイルで、アロマテラピーでの作用としては、抗炎症・皮膚疾患や創傷治癒、収れん、月経促進作用などさまざまな作用が期待されます。ただし、カレンドラの精油はごく少量しか生産されないため、一般的にはキャリアオイルによる浸出油のものを用いることがほとんどです。
また、カレンドラの花びらは、エディブルフラワー(食用花)として、ドレッシングやサラダのトッピングや、ホットケーキのタネ、天ぷら、チーズの色付けなどの見た目のアクセントにも使えます。精油としてのアロマテラピー効果として活用するのはもちろん、これなら目で楽しむリラックス効果としても活用できますね。
このように 精油としては少量しかとれない貴重なカレンドラですが、さまざまな活用法があり、 日常に活用しやすいハーブでもあります。ホームセンターなどで苗や種を扱っていることもありますので、探される際には似ているマリーゴールドと間違えないように、学名(カレンドラ(カレンデュラ・Calendula officinalis))を参考になさってみてくださいね。 ハーブを取り入れた暮らしをぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか?
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